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猫背から生首まで
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このお話は自分でも凄く印象に残っているので書いた記憶があります。
力強くて泥臭くて勢いがあるなあと、当時の自分を振り返って思ったり。
2010年7月に書いたものです。
このころまだ25歳だったな…


「虚空という名の野良猫」

 「僕は春野さんのその真っ直ぐで淀みのない目が好きだよ」
 入学式の翌日、わざわざ私の席にまで来てそう言ったのは、同じクラスの上田くんでした。上田くんの目は子犬のように真っ黒でそれこそ淀みがなく、純粋な輝きを放っていました。
 そんなこっ恥ずかしいセリフよく言えるな、と思ったものの、誰かに「好き」と言われても別に嫌な気持ちはしません。私は、自分でも気持ち悪いと認識出来るレベルの愛想笑いを浮かべて
「あ、ありがとう」
 と上ずった声で答えたものでした。
 上田くんとは理科の実験の班が同じで、掃除の班も同じで、気付いたら席替えで隣の席になっていました。上田くんは、ことあるごとに私に声を掛けてくれました。おはよう、とか、また明日な、とか、挨拶程度の言葉でしたが、そんな言葉を一度も掛けられたことのなかった私は心の中で密かに喜びました。身の程知らずというものでしょうか。それは小学校の頃から続く女子からの陰湿ないじめを加速させるにはとても良い燃料になりましたが、このクラスで私のことを少しでも気に掛けてくれる、認めてくれる存在が一人でもいるということが、頑張って明日も学校に来よう、という気持ちにさせてくれたものでした。
 上田くんは今、「僕は春野さんのその真っ直ぐで淀みのない目が好きだよ」と言った時と同じ子犬のような瞳で私を見ています。私の上には同じクラスの男子が三人、ここは放課後の体育倉庫といういかにもなシチュエーションで、私の体をまさぐる六本の腕が汗と湿度と荒い呼吸たちに勢いをつけ、体育倉庫内の温度をどんどん上げて行きます。
「春野さん、こういうの好きでしょう?」
 そう言いながら上田くんは私の髪の毛を掴み、思いっきり右の頬をグーで殴りました。目の前が真っ白になり、まぶたの裏にいくつもの星が飛びます。「ぐふぅ」という色気の無い叫びにもならない声が私の口から漏れると、四人のクラスメイトたちは手を叩いて爆笑です。私はエンターテナー、人々を楽しませるのが仕事なの。そう自分に言い聞かせてもやはり悲しいこと、痛いことに変わりはなく、荒々しく乱暴に扱われた所為で私の下腹部、つまり膣の周りはずっとひりひりしています。髪の毛に飛んだ精液と、体育倉庫のほこりっぽいにおいで今にもむせてしまいそうです。
「今日はもうこのくらいにしとく?」
 上田くんはそう他の男子に意見を求めると、一番体の大きな野球部の中川くんが
「じゃあ俺最後にもう一発やる」
 と言いながら私の下半身に噛み付いてきました。お前最低だな、と同じく野球部の吉田くんが笑います。私はもう声も出せません。きっと私のそこは赤く腫れ上がっているのでしょう。
 お父さんに何て言えば良いんだろう。朦朧とした意識の中で私は考えました。クラスの男子に輪姦されたのは今日が初めてではないけれど、いつもお父さんが私の部屋に来る日とは別の日でした。お父さんが私の部屋に来るのはお母さんが夜勤の日だけ。それは水曜日と土曜日で、残念ながら今日は水曜日なのでした。
 中川くんの体が、私の上にのしかかり、更に私の中心めがけてぐりぐりとそこを突き破ってきます。気持ち良いだとか痛いだとか、そういう感覚は既に一切無く、じんじんとただ痺れるだけで、灰色の天井を見上げながら、ああ早く終わらないかなあ、と私は思います。そして、虚空のことを考えました。虚空は学校の裏にいるメスの黒猫で、とても臆病な性格の所為か普段は絶対に生徒たちの前に現れることはないのですが、なぜか私にだけは懐いているのです。「虚空」という名前は私が勝手に付けました。何となく、響きが可愛いかなあ、と思って。
 私は虚空に何でも話しました。声に出して言うとはばかられるようなことばかりなので、主に心の中でですが、それでも虚空には全て伝わっているような気がします。虚空は私の目をじっと見て、小さく、にぃ、と返事をしてくれるからです。ごろごろとのどを鳴らしながら何度もすりすりと体を寄せて甘えてくる虚空が、私は可愛くて仕方ないのです。虚空にだけは、何でも言える。猫は絶対に裏切らないし、嘘も吐かない。
 中川くんは私の口の中にどろどろとした体液を放つと、私の頭を掴んで奥までそれを押し込んで来ました。青臭い精液のにおいとのどの奥を刺激されたことで私は今にも吐いてしまいそうでしたが、今日の給食はクラスの女子に全部取り上げられてしまっていたので、私の空っぽの胃袋からは何も出ては来ないのでした。
「じゃあね、春野さん。そこちゃんと片付けとくんだよ。分かってるね? また明日ねえ」
 上田くんは私が他の男子に輪姦されているところを見ているだけで、絶対に自分では手を下しません。いつも子犬のような瞳をころころと転がして、笑っているのです。それはきっと私が汚いからでしょう。クラスでも人気のある上田くんが、こんな私に少しでも触れたらきっと腐ってしまいます。
 ひとり残された体育倉庫で、天井を見上げると視界がぴかっと光りました。その直後に物凄い勢いで雨が降り出し、ごろごろと雷が鳴り始めました。私は虚空のことを思い出しすと、ぐちゃぐちゃになってしまった制服を適当に直して、辺りに散乱したティッシュを拾い集めて鞄に突っ込み、体育倉庫の外へ飛び出しました。
 テスト前なので、部活はどこも休みです。いつもは運動部で賑わうグラウンドも、人っこひとりおらず、勢いよく降りしきる雨で土がどんどんえぐられていきます。雨に濡れるのも構わずに、私は校舎の裏まで走りました。雨が髪の毛に付着した精液も洗い流してくれるかも知れない。そんなことを思ったりしました。
「虚空、虚空」
 裏口付近の屋根がある階段のそば、いつも私が虚空との密会を果たしている場所で、何度も虚空の名前を呼びました。雨がひどいので出て来ないのか、雨の音で私の声が聞こえていないのか、虚空は姿を現しません。私はその場に座り込み、雨が止むのを待ちました。今家に帰ればまだ誰もいない。お母さんは夜勤に出掛けたあとだし、お父さんが帰ってくるのは夜の九時過ぎです。それまでにシャワーを浴びて何事もなかったようにお父さんを迎え入れなければなりません。お父さんは、私を抱きながら
「お前だけは俺を裏切らんといてくれ。もう他の女はたくさんだ」
 と泣きます。お父さんはクラスの男子のように私の体を手荒に扱ったりすることもないし、私もお父さんのことが別に嫌いではないので、それを拒否したりすることはありません。これは小学校四年生の夏休みから続く私とお父さんの秘密ごとです。誰にも言ってはいけないのです。あ、でも虚空にだけは話してしまいましたが。
 にぃ、という鳴き声で顔を上げると、雨に濡れてひとまわり体が小さくなってしまった虚空が私の隣に座っていました。私が鞄の中からパンを取り出し虚空に与えると、嬉しそうに虚空はそれを頬張りました。これは給食室のおばさんに頼んで貰ったものです。パン一つじゃ足りなくて、と言うとおばさんは少し怪訝な顔をしましたが、大量に余っているパンの一つを私にくれました。いつもは給食のパンを残して持って来るのですが、今日はそうも行かなかったので。
「美味しい?」
 そう聞いても虚空は返事をすることもなく、がつがつとパンを貪っています。私は今日学校であったこと、「死ね」と書かれたノートがまた三冊増えたことや給食の牛乳に赤い絵の具を混ぜられて無理矢理飲まされたこと、それを見ながら指をさして笑っていた担任のひどい顔やクラスの女子が私に浴びせた罵倒の数々、そして放課後連れ込まれた体育倉庫でクラスの男子に輪姦されたことなどをひとつひとつ思い出しながら話しました。決して口には出さず、心の中で話しかけると、虚空はごろごろとのどを鳴らして答えてくれます。黒いつやつやとした毛並みを撫でながら虚空と話をしている間が、私にはとても落ち着ける時間なのです。虚空はとても綺麗な猫で、顔立ちも凛々しくきゅっと締まった体から伸びる四本の脚はとても美しい。私も猫になりたかったな。虚空にそう話しかけると、顔を上げて小さく、にぃ、と鳴きました。
 雨が小降りになった頃を見計らい、私は学校をあとにしました。夜になればお父さんが私の体を求めて部屋にやってきます。それまでにシャワーを浴びて、部屋を片付けて、今日学校で出された課題を終わらせなければいけません。
 家に帰るまでの間、この世の不幸は私が背負っている、だからみんな私の代わりに幸せになればいい! などと考えていたら涙が出て来ました。いえ、あれはきっと涙ではなく雨だったのです。私は辛くなどありません。こうして生きることが私に課せられた使命であるのなら、喜んで受け入れましょう。
 玄関を開けると、お父さんが立っていました。
「遅かったな……」
 そう言いながら私を殴り付けるお父さんは、いつものお父さんではありませんでした。
「こんな時間まで何をしていた? テスト前だから学校はもっと早く終わるはずだろう。俺はお前に会いたくて、早くお前と二人きりになりたくて、仕事を早退して帰ってきたのに! 何故もっと早く帰って来ない!」
 上田くんが私にしたように、お父さんが私の髪の毛を掴んで頬を何度も殴りました。涙なのか血なのかすらよく分からないものがそこらじゅうに飛び散り、鉄の味がする口の中で、何度も「ごめんなさい」と呟いたけれどそれはお父さんには届いていないようでした。
 お父さんは制服のリボンを勢いよくむしり取ると、それで私の両手をくくって玄関の鍵を閉めました。そして私の下着を剥ぎ取り、ショーツを私の口の中に突っ込みます。むあっとした精液のにおいが口の中にもう一度広がって、私はまた吐きだしそうになりました。しかしそれすら許される間もなく、お父さんは私の膣をぐいぐいと掻き混ぜました。
「おいお前、他の男とやったのか? これは何だ……」
 差し出された中指には血と精液が混じった半固体状のものが巻きついていました。首を大きく横に振ると、
「嘘をつくな!」
 そう言ってお父さんはまた私の頬を殴りました。そして涙を流しながら自分も下着を取り、私の中にずんずん入って来ました。
「お前だけは信じてたのに……、お前だけは……」
 お父さんの涙が私の顔の上にぼたぼたと落ちて来ます。目をつぶると顔に唾が飛んできました。私が生きている世界はこんなにも不条理で、異常で、真っ暗です。神様、神様、もしあなたがいるのなら、次に生まれ変わった時は私を猫にして下さい。
 熱い体液が私の中に流し込まれたあと、お父さんは私を玄関に放置したままどこかに出掛けて行きました。顎と腕の力を使ってなんとかリボンをほどき、口に詰め込まれたショーツを取り出すと、立ち上がって浴室に向かいました。外はすっかり日が暮れて、まだ雨は降り続いているようです。浴室の電気を点け、鏡を見ると、ぼさぼさのおかっぱ頭の女が映っていました。久し振りにまじまじと見る自分の顔はそりゃあひどいもので、痣だらけ傷だらけ、腫れ上がったまぶたの下にくっついている小さな目玉は淀みまくっているし、これはいじめの標的になっても仕方ない、と無理矢理納得させられてしまいました。
 熱いシャワーを浴び、体をごしごしと洗います。下腹部にお湯を当てると思いっきりしみたので、そこはそっとぬるま湯で洗いました。初潮がまだ来ない私の膣から血が流れるなどおかしな話なのですが、そこからあふれ出したわずかな血液が、お湯に混じって排水溝に吸い込まれて行きました。
 お父さんはどこへ行ったんだろう。少しだけ冷静になった私は考えました。お父さんはいつ帰って来るんだろう。帰ってきたら、また同じことをされるかも知れない。いや、今度は殺されるかも知れない。もしかしたら、凶器になりそうな刃物を買いに行ったのかも知れない。私はまだ死にたくない。こんな世界でも、授けられた生はせめて全うしたい。
 髪の毛も乾かさず、投げ込まれた洗濯物の中から適当に選んだTシャツと体育の授業で使う短パンを履いて、私は家を出ることにしました。外はまだしとしと降り続いています。玄関に立てかけてあったビニール傘を差して、私は学校に向かいました。虚空に会いたかったのです。虚空は、こんな私を許してくれるでしょう。こんな醜い汚れた私でも、きっと虚空なら全て受け入れてくれるはずです。早足で歩くと雨が跳ね返ってふくらはぎを濡らしました。そんなことは気にもなりません。頭の中は虚空でいっぱいでした。
 閉じられた門をよじ登る頃には雨が大分小降りになっていて、濡れたアスファルトの上を歩きながら虚空に思いを馳せました。今日は虚空と一晩ここで過ごそう。明日の朝、お父さんが会社に出掛けたあとに家に帰って急いで準備をして、何もなかったようにまた学校に来ればいい。とりあえず今夜は家の中にいるのは危険だ。虚空が私を守ってくれる。
「虚空、虚空」
 私は虚空の名前を呼び、暗闇の中から、にぃ、という声が聞こえて来るのを待ちました。しかしいっこうに虚空は現れません。私は名前を呼びながら周囲を歩きまわりました。そして低く唸るような鳴き声と、闇の中に浮かんだ四つの黄色い目玉を見付けました。
「虚空?」
 目が合った虚空は私のことなどお構いなしに、上に乗せたオス猫に向かって甘い声を発しています。一瞬で状況を把握した私は、
「あ、お邪魔してごめんねえ」
 などと白々しい言葉を投げ掛け門の方へ歩き出しました。虚空は絶対裏切らないと思ったのに。猫を信じることさえ許されないなんて、私の人生めちゃくちゃだ。
 私は傘をその場に投げ捨て、ああああああああああああああああああああ! と叫びながら校庭を走り回りました。そしてぬかるみに足を取られ、そのまま泥だらけのグラウンドに突っ伏しました。
 息が荒く、呼吸とともに口の中に入り込んで来た泥で、舌の上はじゃりじゃりしています。寝返りを打ち、天を仰ぐと、雨粒の一滴一滴が落ちて来るのがよく見えました。
「あーあ」
 思わず口から出たのはその言葉だけで、私は思わず笑ってしまいます。あーあ。
 きっとこの世に神様なんていない。信じる方が悪い。私は私しか信じちゃいけないんだ。そう思いながら見上げた空は綺麗な紺色で、それは制服のスカートの色と同じ色でした。
 私は起き上がり、家までの道を歩きます。時々通りすがる車のヘッドライトが照らす雨粒が、きらきら光って、それはとてもとても綺麗でした。おわり。


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一日ずつ書く日がずれてる気がするけど気にしない!
今日は眠すぎるので、ひたすらなのちゃん(猫)の写真を貼ることにします。




2011年9月末、うちに来たばかりのころ。
ちっちゃ!




約一年後、大きくなったね…




とりあえず箱があれば入るなの。




伸びきって寝るなの(私のねる場所がない…)。




洗濯機を見つめるなの。




下界に降りれなくて困るなの。




折りたたまれているなの。




わざわざ人のカーディガンの上で寝るなの。




すっぽりとおさまるなの。




寝起きのなの。




もっふりとしたなの。




もっふりとした尻。




私の席を横取りするなの。




顔を隠して寝るなの。


なんかこれ以上写真をうp出来ないようだ…ざんねん。
なのちゃんかわいい。




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マリナちゃんと撮影してきました!
部屋がピンク過ぎて白いとこ全部緑色に見えた。
可愛過ぎてずっと「この部屋に住みたい!」ってマリナちゃんと叫んでました。



コンドームばらまいたよ!


この大量のコンドーム、確かまだ私が結婚していた時代にアダルトグッズの福袋(DVD10枚、ローション、変なオナホ、コンドームのせっと)みたいなのを買いまして、その時に入っていた徳用コンドームです。
買ったのは多分7年くらい前。
コンドームの使用期限って5年くらいじゃなかったかな。
離婚した時になぜか私が持ってきてしまったようなのですが、使い道もなく脱衣所の引き出しの奥の方でひっそりと眠っていました。
なんかそう簡単に処分できるものでもなく、いつか他の何かに使えないかなと思っていたのですがようやく陽の目を浴びることが出来ました。



コンドーム×マリナ

こうしてひとつずつ過去の自分とさよならして人は大人になって行くのですね。




コンドーム関係ないけど、マリナちゃんに「この写真すごくげんぱつさんっぽい!」と言われたのがすごく嬉しかった。
この写真見たら一目で私が撮ったってわかる、って。

この日はずっと笑ってて本当に楽しかった。
マリナちゃんありがとう!

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「まぐろちゃんの自殺教習」

 地下鉄がホームに入って来る風で思わずよろけてしまうほどに私の命は軽い。よろけた瞬間、背後に立っていたトイレの芳香剤のような香水のにおいを振りまいた和服のおばちゃんに舌打ちをされ、今日も私のHPは削られていく。ごめんなさい。その声はきっと彼女には届いていないのだろう。私を押し退けるようにして地下鉄の車両に乗り込み、空いている席を目掛けて突き進んでいく。目の前でドアが閉まる。あっ、と声を出す間もなく電車は動き出す。ホームに取り残された私は、次の電車をまた待つことにする。
 ホームにはすぐに人が集まってくる。次に私の後ろに並んだのは、四角い大きなボストンバッグを持った男子高校生。汗と制汗剤の混ざったにおい。イヤフォンから漏れる一定のリズム。携帯電話の画面を見つめたその顔には、いくつかの赤いにきびがある。正面を向き直し次の電車を待つ。
 今日で何日目になるのだろう。私は毎日この駅のホームに立ち、同じ時間、同じ場所で飛ぶ瞬間を待っている。その気になればいつだって飛べる。次は。次こそは。ここから飛ぶことを強く念じる。次こそは飛ぶ。飛んでやる。そう考えてもう何日も経ってしまった。頭の中では何度も飛んだ。繰り返しシミュレートすることで、なぜか飛ぶタイミングはどんどん遠くなっていった。頭の中では何人もの私が死に、ばらばらになってホームを赤く染めた。首が、腕が、足が、頭が、傷付き吹き飛ばされてゆるやかに時間が止まる。着地した時点でアウト。私はもうそこには存在しない。そこにあるのは肉の塊だ。
 また地下鉄がホームに入ってくる。私は目を閉じる。今だ! 飛べ! しかし私の両足は、見えない何かに掴まれたようにその場から動くことが出来ない。また飛べなかった。また死ねなかった。また自由になれなかった。また生きてしまった。
「乗らないんですか?」
 男子高校生が低い声で聞く。
「あ、乗ります。すみません」
 彼の言葉で足が動くようになった。でも私が向かう先は線路の上ではなく車両の中だ。いいや、明日飛ぼう。明日が駄目だったら明後日飛ぼう。いつだって飛べる。その気になればきっと。
 向かいの席に座った男子高校生は床にボストンバッグを置き、腕を組んで目を閉じている。終点まで行くのだろうか。浅黒く焼けた肌には、ところどころかすり傷がある。
 私が女子高生だった頃、彼のような男子は周りにたくさんいた。適度に部活に励み、それなりに勉強をして、たまに彼女を作ったり別れたりする。制汗剤のにおいと青いあぶらとり紙。日に焼けた肌、短く刈った黒い髪の毛。あれから十年近く経った今、彼らのような男の子たちは私の周りにいなくなってしまった。当たり前だ。みんな大人になってしまったのだから。似た色のスーツに身を包み、髪の毛は少しだけ伸ばして、黒かった肌の色はくすみ、低い声は私の知らない単語を発する。
 みんな大人になってしまった。みんないなくなってしまった。私はまだあのころのままだ。大人になれないままオトナになってしまった。置いてけぼりにされたまま、地下鉄のホームであのころに戻れる日を待っている。
「終点ですよ」
 目を開けると男子高校生が立っていた。
「あ、はい、すみません」
 私は慌てて荷物をまとめ、立ち上がる。彼は表情を変えないまま、私を見ている。
 私が電車から降りても、男子高校生はその場に立ち尽くしたままだった。次の電車が出るまでには少し時間に余裕がある。終点まで来たところで私にはどこにも行くところはなく、この駅にいても入ってくる電車に飛び込むことは出来ない。
 もう一度電車の中に乗り込み座ると、彼は私のとなりに座った。何か話すべきかと思ったが、何を話せば良いのか分からなかったので口を開くことをやめた。彼はまた腕を組んで目を閉じている。
 何人かが乗り込んできて、発車の時刻になった。ゆっくりと時間をかけてドアが閉まり、ごっとん、という音に合わせて地下鉄は動き出す。私は目を閉じてあの駅のホームに立つところを想像する。汗と制汗剤の混ざったにおいが鼻をかすめた。あのころのことを思い出す。そうするとまたもう一人私が死んで、今日も生身の私は生きてしまっている。


タイトルと全く関係ない内容になってしまった!
次週、「猫背ちゃんと猫背くん」に続く!



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2/14にボトムラインで行われるPlastic Treeのライブに行くことにしたので、今週はずっとプラばっかり聴いていました。
有村竜太朗(ありむら りゅうたろう、1973年3月6日生)に戦慄したので、初めての生プラをじっくり観て来ようと思います。
こんなの私が知ってる40歳じゃない…!



新しいアルバムの中で3番目くらいに好き。
一番好きなのは「あバンギャルど」。
このPVの雰囲気すごく穏やかでいいなーと思います。
最近のプラはあんまり知らなくて、「ネガとポジ」「ウツセミ」あたりが私の中でピークだったんだけど、今回のアルバムはその頃と少し似ててまたはまりそう。






この2曲はいつもカラオケで歌う。
2曲とも雰囲気似てるけど、歌いながら泣きそうになる。
スピカのPVの有村さんは清春さんにちょっと似てる気がする。




若い!!
このPVどっかで見たことあるなと思ったら、私が結婚時代山奥で引きこもって一日中スペシャ垂れ流してた時に見たの思い出した。
プラとの出会いは不純物が最初だと思ってたけど、こっちが先だった。




日記に載せるの2回目だけど、やっぱりこの曲ですよ。
この曲の頭のじゃんじゃん!ってやるとこが頭から離れない。
そう考えると「ネガとポジ」って私のツボをダイレクトに突いてきたアルバムなんだなーと思います。
一番好きなアルバムはやっぱり「ネガとポジ」かなー。




突然のでんぱ組.inc!!!
去年の夏前あたりから好きで一度だけライブも観たことがあるんだけど、今回のこの曲が本当に何回聴いても泣きそうになってしまう。
鼻の奥がつーんとして、のどの奥がぎゅって絞られるようで。
こんなにかわいい子たちでも悩みがあるしそれを乗り越えようともがいて頑張ってるんだから、一般人の私はもっとがんばらなきゃなと思いました。
私はピンキーちゃんが一番好きです。



さっき久しぶりにセルフポートレートを撮ろうと思って頑張ってお化粧して今日買ったかわいい(でもユニクロ)下着に着替えて準備したんだけど、なぜかリモコンでシャッターが下りない…!
しかし私がフレームから外れるとリモコンが作動する。
何でや…
何回やっても上手くいかないから諦めました。
この家絶対家族以外の何かがいる。



お化粧がんばったんやで…

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1/19~1/25のげんぱつ。

1/19(土)
マリナちゃんが個展をやっているのでキワマリ荘に行ってきた!
めっちゃ寒かったけど、マリナちゃんに会ってマリナちゃんの作品見たら元気出てきた。
私もがんばろう。
それにしてもパステルカラーはハードルが高い…



JSK エミリーテンプルキュート
ブラウス イノセントワールド
カーディガン ZOZOTOWNで見つけたどっかのブランド(名前忘れた)のセール品
タイツ グリモワール


1/20(日)
家から一歩も外に出ず部屋の掃除をしていたので写真撮ってない。



_人人人人人人人人人_
> なのちゃんのお股 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


1/21(月)
くろねこさんと撮影した!
個展がとっても楽しみになった。



ブラウス Amavel
キュロット Victorian maiden
カーディガン スイマー
タイツ tutuanna


1/22(火)
出勤!
地獄の四連勤のはじまりである…
ネバアランドのタイツ、だるだるやしもういい…ゆっくり休め…ッ!



ブラウス Arcives
スカート F.i.n.t
カーディガン rosebullet
タイツ ネバアランド


1/23(水)
四連勤二日目。



ワンピース E hyphen world gallery
カーディガン ユニクロ
タイツ tutuanna


1/24(木)
四連勤三日目。
今回は意外ときつくない気がする。



ブラウス Amavel
スカート mozoの安い服屋で買ったやつ
カーディガン ユニクロ
タイツ tutuanna


1/25(金)

四連勤最終日。
仕事中に寝てガクッてなった瞬間目が覚める。



ブラウス PEACE NOW
スカート MIHO MATSUDA
カーディガン ユニクロ
タイツ vili&veの幻覚タイツ


今週は撮影からの四連勤がんばった。ちょうがんばった。
明日から三連休!

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最近読む漫画が当たりばかりで、漫画ってすごいな!!って毎回思っています。
絵が描けたら漫画家になりたかった…げんぱつさんの画力…


今日読んだ漫画はこれだ!



大須賀めぐみ「VANILLA FICTION」

自らを「悲観的な妬み屋」と称する小説家、佐藤忍はバッドエンドしか書けない。
作品を映画化やドラマ化されても「飽きられるのも早い」と常に否定的な思考しか出来ない。
そんな彼の前に現れたのは羽根の生えた天使のような(でも何日もお風呂に入っていなくてボロボロの)女の子、エリ。
そしてやたらちゃらちゃらした男、太宰治(偽名)。
この二人の登場で佐藤の日常がどんどん崩壊していく。

私があらすじを書くと大したことないように思えるのですが、この作品、次に何が起きるか分からなくてドキドキします。
さっきまで生きていた重要人物が次のページで死んでたり生き返っていたりするので、えええええ!って絶対言います。
多分3回くらい言いました。

佐藤はピンチに陥ると自身のバッドエンド思考から最悪の結末になるよう事態を導き出し、なんとかそれらを乗り越えていきます。
この作品において大きな鍵となるのがカオス理論。
大きな結果を呼び込むための一つ一つの小さな連鎖、その一つを佐藤とエリはしなければならず、そのための逃避行が始まるわけです。

まず、エリちゃんがかわいい。
いきなりラーメン落として泣くの我慢してるところが最高にかわいい。

「わたし、うそをついたり 物を盗ったり 大きな声を出したり いけないことはやりません。いい子にできます。」

こんなかわいい子にそんなこと言われたら保護しないわけにはいかんだろ…と思います。

そして主人公の佐藤の否定的思考が、結果として良い方向に向かっているところが好きです。
世の中前向き思考で上手く行くことばかりではないです。
後ろ向き、否定的に見えるようなことでも、あとから考えたら結果として前に進んでる、ってこと日常生活の中でもあるじゃないですか。
それをちゃんと描いてるところがいいなあと。

完全に表紙の絵だけで衝動買いしましたが当たりでした。
まだ1巻しか出てないので、続きが楽しみです。
春頃発売だそうです。


感想文になってない気がするけど今日はこれでおわり!

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プロフィール
HN:
原発牛乳
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1984/09/21
職業:
おかあさん
趣味:
おひるね
自己紹介:
かわいい女の子の写真を撮ったり行き過ぎた妄想を小説にしたりしています。
名前はアレだけど別にこわい人じゃないです。
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