忍者ブログ
猫背から生首まで
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。





むかしむかし、私がまだ名古屋に帰ってきたばかりのころ、オレンジ色のMのつく出会い系で知り合った女の子がいた。その子の彼氏はバンドでギターボーカルをやっていた。私とその子は似たような音楽が好きで、何回か一緒にライブに行って仲良くなった。当時好きだったロキノン系のバンドだ。その子は彼氏のことが大好きらしく、ライブの開演時間までずっと彼氏とそのバンドの話をしていた。私は大して興味がなかったけど、とりあえずふんふんと話を聞いた。何回目かのライブの帰りに彼氏がその子のことを迎えにきて、「良かったら今度ライブ観に来てください!」とデモCDとフライヤーを渡してきた。デモCDは聴かずにずっと本棚の上に置いてあった。その次の月だったか次の次の月だったか、仕事帰りに思い出してふらっとライブを観に行った。彼女の姿はなく、お客さんもそうたくさんは入っていなくて、4組くらい出ていたバンドのどれもがへったくそだった。貴重な時間を無駄にしたと思いながら帰ろうと思ったとき、ギターボーカルの彼が近付いてきて「来てくれたんだ!」とか馴れ馴れしく声をかけて来たものだから帰れなくなり結局最後までそこにいた。そしてなぜかバンドのメンバーを紹介され、よくわからないまま全員とマイミクになった。その後、そのバンドのベースの人からしょっちゅうサイト経由でメールが来るようになった。当たり障りのない返事をしていたけれど、それが相手にはツボにハマったらしく、「今度お茶しよう」「飯食いに行こう」とやたらしつこく誘われるようになった。正直私もベースの人はバンドの中で一番好みの顔をしていたので、一回くらいならいいかと思い昼間に会ってごはんを食べた。そのあとカラオケに行き襲われかけたが、ちょうどその日は生理2日目で笑えないほどダサイ生理用パンツを履いていたので頑なに死守した。それがベースの人の心に火を点けたようで、それから一日20通近くメールが来たり、駅で待ち伏せをされたりした。ちょっとめんどくさくなってきたので友達だった彼女にそのことを話すと、同時期にその子もベースの人に同じようなことをされていたらしく「キモいんだよビッチ」という言葉を吐かれた。それを最後に彼女からのメールは途絶えた。どうやら彼女はギターボーカルの彼と別れてベースの人と付き合おうとしていたところらしかった。バンドをやってるひとなんてきっと彼女が沢山いて毎晩違う女の穴に突っ込んでオラオラ言ってるんだろうなと思っていた私はそれほどがっかりもせず、携帯電話ごと替えて番号もアドレスも変えた。オレンジ色の出会い系も退会した。待ち伏せされていた駅はなるべく使わないようにして、早足で毎日歩いていた。ベースの人によく似た背中を見つけた時は、全力で反対方向に向かって走った。その後、何年かして偶然ギターボーカルの彼と全然違うバンドのライブで再会した。バンドは解散して彼は親の会社を継ぐ準備をしているのだという。結婚もする予定で、結婚相手のお腹には4ヶ月になる赤ちゃんがいると言っていた。その相手はもちろん私の知っている彼女ではなかった。少しだけ気になったのでベースの人の話を聞いてみた。するとギターボーカルの彼は「あいつおかしくなっちゃったんだよ。わけわかんない宗教にハマったかなんかで今は連絡取ってない。弟は自殺したって聞いた。もともと感情の起伏が激しいやつだったしなあ…」と表情を濁した。それが今から4年くらい前の話で、今日たまたま聞いていたゆらゆら帝国のこの曲を聞いて思い出した。7割フィクション、3割くらいノンフィクションの話。

拍手

PR
<< NEW     HOME     OLD >>
Comment
Name
Mail
URL
Comment Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
 
Color        
Pass 
<< NEW     HOME    OLD >>
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
原発牛乳
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1984/09/21
職業:
おかあさん
趣味:
おひるね
自己紹介:
かわいい女の子の写真を撮ったり行き過ぎた妄想を小説にしたりしています。
名前はアレだけど別にこわい人じゃないです。
ブログ内検索
最古記事
忍者アナライズ
忍者ブログ [PR]
 Template:Stars