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猫背から生首まで
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10代の頃、異性と遊ぶときにはいつも相手の顔色を気にして、つまらないって思わせてないかなとか、また次も一緒に遊んでもらえるかなとか、そういうことばかりを考えていた気がする。
幼く、経験値も乏しかったし、私の家にはずっと「男の人」がいなかったので、どうやって異性と付き合ったら良いのか分からなかった。
漫画や小説で得た知識で理想のお付き合いの仕方なんかを妄想したりなどして、でも現実には全く上手くいかなくて、そのギャップに打ちひしがれていた。
ネットで気になる女の子のウェブ日記(当時はブログが存在していなかった)を読んでいると、「彼氏と今週毎日会ってる」だの「気が付いたら6時間も電話してた」だの、そういうことが当たり前に書かれていたので、世に溢れているカップルたちは日常的にそういうことをしているものだと思い込んでいた。
もちろんそういうカップルもいると思う。
でも、そればかりではないはずだ。

私が17歳の夏に付き合った4歳上の人には彼女がいた。
彼女は少し遠いところに住んでいて、遠距離恋愛をしている。
その穴埋めに私は利用されていた(と言うと言葉が悪いけど、まあそんな感じだった気がする)。
私はその人のことが好きで、その人に「付き合ってほしい」と言われたとき物凄く嬉しかった。
私の中では付き合う=上記のことに繋がるわけだが、彼にとって付き合う=都合のいい性欲処理が欲しいということだったのだと今ならわかる。
でも当時の私には全く分からなかった。
例えそうだったとしても別にいいやーと思っていた。
彼は人間的にはクズだけど優しい人だったので、私がやりたかった上記のカップルの日常に付き合ってくれた。
学校まで送ってくれたり、うちに泊まってゲームをしたり、一緒にごはんを作ったりしてくれた。
でもやっぱり彼女が一番なのは変わらなくて、毎日私の横でメールや電話をしていた。
その直後にセックスをして、「好きだよ」なんて言われたら、彼女の存在はどうでもよくなった。
高3の夏休みはそうやって過ごした。

その後私は学校を辞めて他にバイトを始め、彼とは疎遠になってしまうのだが、時々思い出してはメールをしていた。
返事が来るまで心臓がおかしくなりそうなほどドキドキしていたことを思い出す。
結局私が精神科に入院したり(2回目)、結婚したりしてまた疎遠になってしまうのだけど、結婚して3ヶ月くらい経ったとき、思い出してメールを送った。
結婚してはいたけれど、まだどこかに彼のことが好きだという気持ちがあったのかも知れない。
自分の中で神格化していたというか、この人とはまたいつかどこかで繋がることが出来る、って勝手に思い込んでいた。
彼からはすぐに返事が来た。
私は嬉しくてすぐにメールの受信画面を開いた。
そこには「また朋子の口にがんがん突っ込みてぇなあ」みたいな凄く下品なことが書かれていて、返事をしないまま受信拒否をした。
そこでようやく自分はテイのいい性欲処理の道具だったことを知ったのである。
馬鹿だなあああああああ。

私の信じていた彼の姿は最初からなかった。
彼のことは好きだったけれど、私も恋に恋していたところがあるので、恋愛ごっこに彼を付き合わせたと思えばお互い様なのかも知れない。
私は彼のことを何も知らなかったし見ていなかったのだ。
勝手に作り上げた恋人像を彼にあてはめて、優しい彼はそれに合わせていてくれたのだ。
その優しさも結局のところ都合のいい肉便器を逃したくないからで、幼さゆえに私は彼の嘘を優しさとはき違えていた。

それから10年の月日が流れた。
私は6年前に離婚し、好きな人が出来たり恋人が出来たり別れたりした。
今は、自分から誘わなくても誘ってくれる男の人がいる。
追い掛けなくても隣で歩いてくれる男の人がいる。
自分でお金を出さなくても一緒にごはんを食べてくれる男の人がいる。
10年前、あんなに必死になって好きな人のことばかり考えていたのに、今の私が常日頃考えているのは作品のこと、家族のこと、友達のこと、仕事のこと、好きな音楽のこと、好きな漫画のこと、自分のことばかりだ。
好きな人はいるっちゃいるけど、ずっとその人のことばかり考えているわけにもいかない。
私には私の生活がある。
妄想で飯は食えない。
でも10年前の私はずっと考えてたんだなーすごいなーと思う。
その頃醸し出していた「飢餓感」は少なからず男の人を引かせてしまって、求めることで頭がいっぱいだった私に誰もついて来なかったのはそのせいだと今はよくわかる。
この年になると、もう誰かのあとを追い掛けようとか、一緒にいる時間を無理して増やそうとか思わなくなった。
一緒にいてくれる人との時間を大事に過ごせたらそれでいい。
相手はもちろん選ぶし好きな人に変わりはないけど、相手にも相手の生活があって、好きなことをやっていて欲しい。

「大人」になるということは、自分の時間を大切にすること。
今年に入って、ようやく「大人」になれた気がします。
10年前の自分に今の私を見せたらどんな顔をするだろう。
ちゃんと大人になれるよ、って教えてあげたいです。



げんぱつの最新自撮り!


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プロフィール
HN:
原発牛乳
年齢:
39
性別:
女性
誕生日:
1984/09/21
職業:
おかあさん
趣味:
おひるね
自己紹介:
かわいい女の子の写真を撮ったり行き過ぎた妄想を小説にしたりしています。
名前はアレだけど別にこわい人じゃないです。
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